2009 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル法による高容量電極材料の創製と全固体リチウム電池への応用
Project/Area Number |
19686039
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (10364027)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体電池 / リチウムイオン / ガラス / イオン伝導体 / 硫化物 / ハイブリッド / メカノケミカル法 |
Research Abstract |
本年度は、遷移金属を含有しない高容量電極活物質である黒リン、硫黄、硫化リチウムを導電助剤であるアセチレンブラック(AB)と複合化することによって、全固体リチウム電池への適用を図った。赤リンをボールミル処理することによって作製した黒リンとABを複合化した。これをLi_2S-P_2S_5系固体電解質を用いた全固体電池に適用した。対極にLi-Inを用いた電池は、0.064mAcm^<-2>の電流密度下において初期放電容量1950mAhg^<-1>、充放電効率90%を示し、黒リンが高容量電極材料として機能することがわかった。一方、活物質である硫黄に電子およびLi^+伝導パスを形成するために、ABおよび固体電解質と共にボールミル処理して複合体を作製した。これを用いた全固体電池は1mAcm^<-2>以上の電流密度下において数百サイクルの充放電が可能であり、1000mAhg^<-1>以上の高容量を保持した。また硫化リチウム活物質についても同様の複合化を行うことにより、充電方向から作動が可能な高容量全固体電池を構築できることがわかった。 また電池の高出力化への取り組みとして、電極活物質への表面コーティングについて検討した。LiCoO_2やLiMn_2O_4、LiNi_<1/3>Co_<1/3>Mn_<1/3>O_2などの高電位電極活物質について、リチウム含有酸化物をゾル-ゲル法を用いて表面修飾したところ、電極-電解質界面抵抗が低減され、電池のレート特性やサイクル特性の向上が見られた。酸化物で表面コートしたLiCoO_2粒子表面に、さらにPLD法を用いて硫化物電解質薄膜を形成した。その結果、電極複合体層に固体電解質粉末や導電助剤を混合しない場合においても電池は充放電が可能となり、約30mAhg^<-1>の容量を100サイクル以上維持した。酸化物コートによる良好な電極/電解質界面形成や硫化物電解質コートによるLi^+伝導パス形成により、従来に比べて全固体電池の電極活物質密度を高めることが可能となった。
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