2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19687016
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Research Institution | Ryotokuji University |
Principal Investigator |
横井 麻理 Ryotokuji University, 健康科学部, 助教 (30338305)
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Keywords | 人間生活環境 / 循環器・高血圧 / ストレス / 労働環境 / 日内リズム |
Research Abstract |
研究目的は次の2点であった。(1)精神タスク中の血圧調節を、圧反射感受性および自律神経活動から評価し、日中の心血管動態を比較・検討する。(2)精神タスク中の血圧調節に影響する低酸素暴露の効果を、日中の心血管動態から評価・検討する、については実験を実施し、雑誌論文において3報を報告し、学会発表において7件を発表した。 被験者は中年の健常成人7名(男性4名。女性3名)であった。日中に精神タスク(カラー・ワード・ストループ・テスト。15分間)を負荷し、精神ストレスに対する心血管反応を、心拍数、心臓自律神経活動、血圧、圧反射感受性、血管交感神経活動、一回拍出量、心室拡張期容積から評価した。また、COPD患者が精神作業に従事することを想定し、健常者を低酸素(12.7%O2)に暴露し、低酸素条件下での精神タスクに対する心血管反応も評価した。精神タスクの成績は、常酸素条件下と低酸素条件下で違いは認められなかった。常酸素下の場合、精神ストレスにより心拍数、一回拍出量、心室拡張期容積および収縮期血圧は、増加した。心臓自律神経活動、圧反射感受性、血管交感神経活動よび心室拡張期容積は、常酸素下での精神タスク負荷により変化しなかった。一方、低酸素条件下の場合、精神タスクによる心拍数の増加、一回拍出量の増加および心室拡張期容積の増加が消失し、血管交感神経活動は精神ストレスにより低下した。 これらの結果より、低酸素下では精神ストレスに対する交感神経性血管活動を常酸素下より低下させ、結果として静脈還流量が低下し、一回拍出量が低下することが示された。精神タスクに対する心血管系反応、特に交感神経性血管収縮活動は常酸素下と低酸素下とでは異なることが推察された。
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Research Products
(6 results)