2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノール類の機能性と安全性評価のための標的分子の解析
Project/Area Number |
19688007
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河合 慶親 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50380027)
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Keywords | ポリフェノール / 抗酸化物質 / 酸化ストレス / 動脈硬化症 / モノクローナル抗体 / 標的分子 / 老化 / プロテオミクス |
Research Abstract |
平成19-21年度の研究からケルセチンやカテキンなど食品中に多く含まれるポリフェノールが動脈硬化病変部位においてマクロファージ細胞へ特異的に相互作用し、マクロファージの炎症作用を制御しうることを、抗ポリフェノール抗体や培養細胞実験から明らかとなった。このように、食品由来のポリフェノールは生体内で選択的に標的となる細胞へ作用することが示唆されたが、この選択性に寄与する分子については不明であった。21年度においては、マクロファージ細胞以外にも、脳組織への移行に重要な役割を担う血液脳関門細胞へのケルセチンの特異的な蓄積を免疫組織化学的に見出した。そこで脳関門モデル細胞(脳血管内皮細胞)を対象とし、ポリフェノール類の標的細胞への蓄積機構を検討したところ細胞膜表面に存在するアニオン結合タンパク質の存在を示唆するに至った。結合タンパクの同定を試みるためのポリフェノールプロテオミクスの開発を試み、ケルセチン代謝物をプローブとしたタンパク質の同定が可能となりつつある。一方、ポリフェノール類の新たな機能性としてミトコンドリア機能やオートファジーに対する影響に着目した。近年、オートファジー欠損は種.々の疾病の発症に関わることが示唆されており、食品成分の新たな標的として期待される。そこで、オートファジー評価系について、米国国立衛生研究所(Toren Finkel博士との共同研究)に滞在し、その手法についての習得を行った。22年度では本評価系を用いたスクリーニングを実施し、オートファジー制御能を有する新規食品素材の探索を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)