2009 Fiscal Year Annual Research Report
効用関数を導入したオンライン最適化問題に関する研究
Project/Area Number |
19700015
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤原 洋志 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (80434893)
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Keywords | アルゴリズム / オンライン最適化 / 数理工学 / 情報基礎 / モデル化 / オペレーションズ・リサーチ / データ構造 / ゲーム理論 |
Research Abstract |
本年度は円周上へのアイテム配置問題を考察した。問題設定は以下の通りである。プレーヤにアイテムが1つ与えられ、円周上のどこかへ配置する。それを配置すると次のアイテムが与えられ、以降これが繰り返される。一度配置したアイテムは動かすことは出来ない。各アイテムの重量は、与えられて初めて明らかになり、またそれが最後のアイテムであることも与えられた時に初めて分かるとする。この問題の目的は、重心の原点からのズレを最小化することである。現実問題への応用としては、船舶や航空機への貨物積載計画、また複数の人工衛星の軌道計画等が挙げられる。また計算機科学の分散システムの分野において近年コンシステント・ハッシュ法が注目されているが、本問題に対する配置法を、より良いハッシュ関数の設計に生かすことが可能である。 研究代表者は、全てのアイテムの質量が等しい場合から考察を始めた。まずは最適化すべき効用関数の検討である。このようなオンライン最適化に対してよく用いられるのは競合比で、先のことが分かる神様のアルゴリズムと、先の分からない人間のアルゴリズムとの、コスト比最大値として定義される。ここで注意すべき点は、殊に本問題に対して神様のアルゴリズムを動かすと重心ズレはゼロとなり、比が定義されないということである。そこで研究代表者は、一部のオンライン最適化問題で用いられている競合差を導入した。文字通り、コスト差最大値である。解析に際しては、まずアイテム数がある程度以上になると重心ズレがほとんど変化しない配置が可能であるという補題証明から始めた。結果として競合差0.2を達成する最適配置アルゴリズムを導出した。
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Research Products
(5 results)