2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロジニアス・マルチコア時代の統一的ソフトウェア開発手法に関する研究
Project/Area Number |
19700020
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝沢 寛之 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (70323996)
|
Keywords | ハイパフォーマンスコンピユーティング / 情報システム / 自動チューニング / GPUコンピューティング |
Research Abstract |
平成20年度には, CPUと描画処理用ユニット(Graphics Processing Unit, GPU)を搭載している一般的なPCを想定し, そのCPUとGPU間での移植性を維持しつつ両者を効果的に利用可能な高級プログラミング言語処理系としてSPRAT(Stream Programming with Runtime Auto-Tuning)を実装・評価した.SPRATのようにプログラマが個々のプロセッサの違いを意識しない, ハードウェアが高度に抽象化されたプログラム開発環境の実現を考えた場合, 異種複数のプロセッサを搭載するシステムでは各処理を実行するプロセッサを自動選択しなければならない.平成20年度には, 実行時間が最短になるようにプロセッサを切り替える手法や, アプリケーション実行に要するエネルギー消費を最小にするプロセッサ切り替えなどを試し, SPRATによるプロセッサ自動切替の有効性を評価した.その結果, SPRATが問題サイズなどの実行時パラメータに応じて, それぞれの観点から適切にプロセッサを切り替え可能であることが示された.また, 高水準のSPRAT言語からGPU向けのCUDAコードを生成する言語処理系(SPRATコンパイラ)に2種類の自動最適化機能を実装し, それらの演算性能への影響を評価した.SPRATコンパイラではデータの再利用性を解析し, 再利用性の高いストリームデータをGPUのオンチップメモリへと複製するコードを生成できる.さらに, 非効率的なメモリアクセスを2回の効率的なメモリアクセスで置き換える.また, GPUの世代によって異なる最適化技法が求められる場合にも, それを自動的に判断して適切な最適化技法をGPU用のコード生成時に適用できる.これらの自動最適化機能により, SPRATコンパイラによって自動生成されたコードを実行した際の性能を大幅に改善できることが示された.
|
Research Products
(6 results)