2007 Fiscal Year Annual Research Report
再利用の投機的適用による既存バイナリ互換高速プロセサの研究
Project/Area Number |
19700041
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津邑 公暁 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (00335233)
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Keywords | 計算機システム / システムオンチップ / ハイパフォーマンスコンピューティング / シミュレーション工学 / 計算再利用 / メモ化 |
Research Abstract |
本研究は,従来のバイナリに対して互換性を持つ超高速プロセッサの開発を目的とする。命令レベル並列性(ILP)に着目した高速化技術の限界に伴い,全く着想の異なる再利用技術を核とし,これに投機を組み合わせる。これにより,全く変更を加えることなく既存バイナリを高速実行可能なプロセッサを実現する。 本年度においては,まずはプログラムの持つ再利用性およびその特徴の調査,およびその特徴に即した形でのプロセッサ機構の改良が主な目的であった。調査の結果,汎用GAプログラムに高い再利用性があることを見出した。GAは従来よりその並列性に着目した高速化が有効であることが知られているが,高い再利用性を持つこと,また再利用性と並列性は直交する概念であり相互に補完・併用が可能であることから,より高い性能向上が得られる可能性がある。この考えに基づき,汎用GAプログラムに並列化および計算再利用を同時に適用した結果,最大で14.2倍,平均でも3.1倍という非常に高い性能向上が得られることを確認した。 また,本研究が想定する計算再利用アーキテクチャは,入出力記憶表としてCAMを用いることを想定しているが,この表は参照頻度が高いうえCAMは一般に電力消費が大きいため,プロセッサ全体のエネルギー消費が問題となる可能性がある。そこでプログラムの性質を観測しながら,計算再利用のための機構に対する電力供給を動的に停止するシステムを提案し,シミュレーションによる評価を行った。その結果,SPEC CPU95ベンチマークで従来14%増加していた消費エネルギーを1.5%に,また汎用GAソフトウェアGENEsYsでは従来1.8%増加していたところを4.7%減に抑えることに成功した。
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Research Products
(4 results)