2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会分析のための多階層ネットワーク可視化手法の開発
Project/Area Number |
19700085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 康弘 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (10376494)
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Keywords | ネットワーク分析 / 可視化 / クラスタリング / ソーシャルネットワーク |
Research Abstract |
本研究では, ソーシャルネットワーキングサービスや電子掲示板といった時刻情報を持つソーシャルコミュニケーションの履歴データに対して, ネットワーク時系列分析, コミュニティ時系列分析, 可視化分析を統合的に行うための基盤を与えることを目的とし, これまでにない自由度を持ったネットワーク分析ツールとして「s.o.c.i.a.r.i.u.m」を開発するとともに, それを用いた実証分析を行った. 本年度実施した内容は以下の4点である. 1) 昨年までに構築した多階層可視化システムに加えて, コミュニティ集団の生成・消滅・分裂・融合といった時間変化をコミュニティ遷移ダイアグラムとして可視化する枠組みをデザイン・実装した, これによって, 複雑な時空間パターンを伴うソーシャルネットワークのダイナミクスを詳細なスナップショットと俯瞰的な視点の両面から分析することが可能となった. 2) ソーシャルネットワーキングサービス, 電子掲示板動画共有サイト, 株価のチックデータ等の多くの実データに対して本ツールを適用し, 時刻情報を持ったコミュニティ分析と可視化の統合が複雑システムの理解に有効であることを実証した. 3) ソーシャルネットワークの時系列分析の応用として, ソーシャルコミュニティに対するユーザーの参加傾向からユーザーの属性分析およびコミュニティの寿命予測を行うための新しいアプローチを提案した. 4) 以上の成果を国内会議・国際会議で発表するとともに(7件/その中で招待講演1件, 受賞2件), 分析ツールをソースコードも含めてウェブ上で公開し, ソーシャルネットワーク研究の広がりに寄与した.
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Research Products
(9 results)