Research Abstract |
平成19年度では,主に本研究の文化財の可視化部分に関わったコンピュータグラフィクス技術の開発を行った,すなわち,物体の表面微細構造自動生成技術および実時間のレンダリングアルゴリズムの開発した.具体の研究対象は浮世絵の反射である.浮世絵を製作の際には,様々な技法で,浮世絵の表面に凹凸形状を作り,照明や視線の方向の変化によって浮世絵の色は様々な変化が生じる.本研究では,文化財である浮世絵の表面反射を計測し,その反射を忠実に再現した.まず,カメラの位置を固定し,照明の方向を変え,多数の浮世絵の写真を獲得する.次に,その色の変化から法線方向や繊維方向などの和紙表面微細構造のパラメターを抽出する.最後に,和紙繊維の反射モデルを基づいて浮世絵の反射を仮想空間の中で再現した.本手法は,実際の計測データにより,反射モデルを作ったため,実時間で従来の手法よりリアルな浮世絵反射の表現を実現した.それらの研究成果はすでに幾つか国際会議で発表した.また,本研究の文化財の可触化の研究については,いま,すでに獲得した物体表面の微細構造から様々な波形を生成し,皮膚触覚提示ディバスに出力し,他の感覚からの錯覚より触覚に対する影響などを調べると共に,よりリアルな皮膚触覚提示できる研究を行っている. 平成20年度では,全体のシステムを実装し,ユーザは仮想空間の中に,文化財を鑑賞しながら,本来触れない文化財を触れるように努力する.
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