2007 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模巡回セールスマン問題に対する遺伝的アルゴリズムの適用と実問題への応用
Project/Area Number |
19700134
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永田 裕一 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (70334795)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 巡回セールスマン問題 / 車両配送問題 / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本年度の研究では,車両配送問題(VRP)と呼ばれる組合せ最適化問題に対し,計算速度と近似精度において優れたmemetic algorithm(MA)(遺伝的アルゴリズムと局所探索を組合わせた近似解法)を考案した.VRPは代表的な組合せ最適化問題の一つで,実用面の重要性と,ベンチマーク問題として様々なアイデアが試されるテストベッドとして,現在もこの問題を用いた研究が活発に行われている. VRPには新しい制約を課すことでいくつかの変形問題が提案されているが,最も基本的で多くの手法が適用されてきた問題がCapacitated VRP(CVRP)とVRP with time windows(VRPTW)である.本年度に開発したMAにより,この二つの問題のそれぞれの代表的ベンチマーク問題において,多くの最良解を更新した.これらの結果はメタヒューリスティックに関する国際会議と進化計算に関する交際会議において発表し多くの注目を集めた. しかし,ながら提案したMAは計算精度の面では優れていたものの,他の代表的手法とし比較して,計算コストの面では不利であった.そこで,発展研究として提案手法であるMAの計算コストを削減するための手法を開発した.この改良により,CVRPに対して考案していたMAの計算コストを約1/5にまで削減することに成功し,結果として提案したMAはCVRPにおいて,計算コストと計算精度の両面において,従来のstate-of-the-art近似解法を超える性能を示した.この結果を進化計算に関する国際会議で発表した.また,ここで提案したMAの枠組みはMAの一般的な問題点の一つである局所探索に要する計算コストをMAの性質を利用して削減したものであり,MAに付随する基本的な問題点を改良する一般的枠組みとして,今後の発展が期待される. 現在,上記の内容を国際ジャーナルへ投稿中である.
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Research Products
(7 results)