2007 Fiscal Year Annual Research Report
歩行支援を目的とした歩容推定による歩行制御手法の開発と義足制御への応用
Project/Area Number |
19700197
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
畠 直輝 Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities, 障害工学研究部, 流動研究員 (20435697)
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Keywords | 制御工学 / 知能ロボティクス / 医療・福祉 / リハビリテーション / 歩行支援 |
Research Abstract |
近年の歩行ロボットの多様化から高齢者や歩行困難者への技術的応用の関心が高まっている.そこで課題となる歩行制御システムの人への親和性,つまり現状の歩行制御システムが人の歩行機能と上手く融合しうるのかという点に,人との親和性が期待される受動歩行システムの要素を取り入れた制御システムで実証を試みている.具体的には,歩行困難者で特に股離断者が使用する股義足へのロボット技術応用を目指し,駆動可能な股関節軸と膝関節軸を有する義足を試作開発した.義足の大腿部に駆動系と制御処理系を持ち,すね部分にリチウムイオン電池を設置することで全重量10kgでのワンパヅケージ化を実現した.本研究において主眼をおく制御システムには,足底の接地状態を観測しながら義足遊脚期の振り出しを制御する遊脚制御を開発した.人体から取得する情報は股関節角度と膝関節角度及び足底の接地状態のみで,筋電や床反力といった各人間で個体差の大きい情報は用いていない.この制御手法で3次元歩行が可能であることをシミュレーションで示すことにも成功した.これは,静止状態から歩かせることが可能であり,歩行速度の変化にも対応する.この制御システムを我々の動力股義足に搭載し,健常者が装着する模擬股義足として動作試験を実施した.人体から取得する股関節角度と膝関節角度の情報から歩行速度が推定可能であり,それに応じて適切な量での振り出しを遊脚制御器が実現することで,着地周期や脚の切り替え時の下肢姿勢が安定化することが実験により明らかとなった.また,仮実験の段階ではあったが,股離断者による実験では,ぶん回しという股義足特有の歩行動作が抑制され,歩行姿勢が左右で均一化され,自然な歩容となった.自然な歩行動作を実現するために,遊脚制御が動力義足において重要な役割を持つことを明らかにすることができた.
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Research Products
(6 results)