2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700205
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中川 竜太 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00361767)
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Keywords | 感性情報処理 / マザリーズ / HMM / MFCC / 選好聴取反応 |
Research Abstract |
母が子に向けた音声(Infant-Directed speech; ID,マサリーズ)を、絵本読み聞かせをタスクとして収録した。8ヶ月児を持つ母12名の音声を成人に向けて読み聞かせた音声(Adult-Directed speech;AD)も合わせて収録した。従来より多数報告のあるマザリーズの特徴を、収録した音声が持ち合わせているかどうかについて、声の高さ、声の高さの変化、声の強さの変化、話す速度、ポーズの長さについて調べた。いずれも従来の報告どおりの傾向が有意であることが確認された。さらに先行研究で提案した、統計モデルによるID/AD自動識別手法[中川ら 2006]により、識別を行ったところ、75.1%の識別正解率が得られた。収録した話者のなかから、この識別手法て識別率の高かった3名の音声を乳児に聴取させ、IDとADの音声のどちらをより好むかを選好注視法(Headturn Preference Procedure[Fernald 1985],[Jusczyk 1995])により確認した。17名の乳児を対象に行ったところ有意にADよりもIDを好むことが確認された[近藤ら 2008]。このことから、これら3名の話者のマザリーズ(ID)は乳児が好む音声であることが示唆され、乳児のストレス軽減や、言語獲得を促進する可能性が示された。 さらに、12ヶ月児を持つ母8名のIDおよびADの子守唄音声を収録した。これらを解析したところマザリーズの特徴である、声の高さが高くなる、声の速度(テンポ)が遅くなる、抑揚が誇張されるといった傾向を確認した。 今後はさらに詳細な分析を進め、絵本読み聞かせ音声および子守唄音声のマザリーズに現れる特徴を見出し、その特徴が乳幼児に与える生理学的影響を調査する予定である。
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Research Products
(1 results)