2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700206
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 Tokyo Polytechnic University, 工学研究科, 特別研究員 (00366402)
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Keywords | 可読性(視認性) / 視認性予測 / 注視点計測 / 黙読時間 / 注視時間 / サッカード / コントラスト / 知覚・認知過程 |
Research Abstract |
高度情報社会が到来し,誰もが情報機器の使用を余儀なくされている.さらに,急速に少子高齢化が進み,高齢者も情報機器を利用して情報取得を行わなければならなくなっている.高齢者や障害者の情報機器の使用においては,身体・認知機能の低下により様々な問題が発生し,情報機器側に配慮がない場合には情報取得が行えない.そこで,誰もが安心かっ迅速に情報取得が行える情報呈示手法を確立するために視覚特性を計測しモデル化を行った.特に,今年度は昨年度行った注視点計測の結果から,黙読時間,注視時間およびサッカードをより詳細に検討し,背景色と文字色のコントラスト変化が視覚の知覚・認知の過程に影響していることを報告した.この論文でバイオメディカル・ファジィ・システム学会から優秀論文賞をいただいた.さらに今年度は,高齢者のみではなく色覚障碍者についての検討を行った.高齢者および色覚障碍者についての検討では,健常若年者に模擬フィルタを適用し,模擬的に高齢者および色覚障碍者についての視覚特性を取得した.この結果に判別分析法を用いて健常若年者,模擬高齢者および模擬色覚障碍者の視認性予測を行った.その結果,健常若年者,模擬高齢者および模擬色覚障碍者のそれぞれの視認性を精度よく予測することができ,色覚障碍者においてG値が66(比較的輝度の低い緑)かつR値が00または33(輝度の低い赤)の色で視認性は低くなると予測された.このことから,色差が大きくてもG値が66かつR値が小さい文字色を用いる場合には注意が必要であることを報告した.今後の課題として,視覚の知覚・認知過程について詳細に検討するために,眼球停留関連電位計測およびfMRI計測を用いて検討を進める予定であったが,今年度は行うことができなかった.より詳細なモデル構築を行うためには,眼球停留関連電位計測およびfMRI計測を行う必要がある.
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Research Products
(5 results)