2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700266
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
藤井 亨 Fukuoka University of Education, 教育学部, 講師 (50432901)
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Keywords | ウェーブレット / 関数データ判別 / 統計的モデリング / 非線形構造 / モデル評価 |
Research Abstract |
本研究テーマの大きな目的は、局所適応性に優れるウェーブレットに基づいて、諸科学に於ける複雑現象解明に寄与する非線形統計モデリングの手法を開発することである。本年度は、前年度に続き多群に分類される高次元の離散データに対する判別性能の高い手法の開発を目指し、これにウェーブレットに基づく非線形回帰推定による連続的な関数構造の抽出と関数型のロジスティックモデルの適用を行ってきた。具体的には以下のことを行っている。 1 データの関数化表現を求める段階と、関数化されたデータ集合に対するロジスティック判別モデルを推定する段階の2段階で行なう方法を提唱しており、さらに関数化データの複雑さの決定および判別モデルの予測性能向上のために情報量およびベイズ理論に基づくモデル評価基準を提唱している。 2 3種類の異なる位置に不連続点を持つ関数構造からノイズを含んだランダムな間隔におけるデータを発生させ、元の関数構造の推定と3群判別をシミュレーションし、他の手法に優る結果を得ている。 3 5種類の単語の発音に基づく256次元の音素データに対して提案手法を適用し、従来の手法に優る予測性能を確認している。 本研究の内容を現在投稿中であり、掲載に向けて可能な限り数値実験や実データへの適用例を充実させる予定である。本研究により得られた結果を今後さらに活かし、データ適応的かつ信頼性の高い統計的モデリングの手法を開発するとともに、複雑な非線形構造を内包する高次元データに基づく現象解明に有効に機能するものへと発展させることを目指す。
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