2007 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠-覚醒を制御する皮質下神経核が大脳皮質微小回路へ及ぼす作用の解明
Project/Area Number |
19700306
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高田 則雄 The Institute of Physical and Chemical Research, 平瀬研究ユニット, 研究員 (50415212)
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Keywords | イン・ビボ / 2光子顕微鏡 / カルシウム計測 / ラット |
Research Abstract |
「大脳皮質と皮質下神経核との相互作用の解明」を通して、脳をシステムとして理解することを目指し、本研究課題では、睡眠-覚醒サイクルを制御するコリン作動性神経核の活性化が、大脳皮質微小回路の活動をどのように修飾するか研究している。具体的には、前脳基底部ゴリン作動性神経核(NBs)を刺激電極で活性化させた時に、麻酔下ラットの大脳皮質細胞の活動がどう変化するか、2光子顕微鏡で観察する。初年度である平成19年度は皮質下神経核を刺激する手法の確立に取り組んだ。その結果、NBsを電気刺激することで大脳皮質の脳波が徐波から速波化することを再現できた。また、刺激電流量が多いほど、脳波が速波化している時間が長いことを確認した。脳波の変化は体性感覚野だけに限られず、頭頂連合野でも生じていた。これらの結果から、NBs刺激によって大脳皮質の脳波を深睡眠型(徐波)から半覚醒型(速波)に一時的に変化させられることを確認した。NBs刺激時の大脳皮質細胞の活動変化を調べたこれまでの研究では、ガラス製微小電極を用いて皮質の単一細胞の活動変化を計測したり、金属製電極を用いて大脳皮質の集合電位を観測するものが多かった。そのため、NBsから大脳皮質への作用を、単一細胞レベルで複数細胞同時には計測出来なかった。来年度は、NBs刺激時の大脳皮質細胞の活動変化を2光子顕微鏡を用いて二次元可視化解析することで、コリン作動性神経核の大脳皮質への作用を微小回路レベルで解析する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Rapid modulation of long-term depression and spinogenesis via synaptic estrogen receptors in hippocampal principal neurons.2007
Author(s)
Mukai H, Tsurugizawa T, Murakami G, Kominami S, Ishii H, Ogiue-Ikeda M, Takata N, Tanabe N, Furukawa A, Hojo Y, Ooishi Y, Morrison JH, Janssen WG, Rose JA, Chambon P, Kato S, Izumi S, Yamazaki T, Kimoto T, Kawato S.
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Journal Title
J Neurochem 100
Pages: 950-967
Peer Reviewed
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