2008 Fiscal Year Annual Research Report
定量的なPET脳神経受容体機能画像化のための画像処理システム
Project/Area Number |
19700395
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
志田原 美保 (古本 美保) National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 研究員 (20443070)
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Keywords | 核医学 / ウェーブレット |
Research Abstract |
陽電子断層撮影(PET)において脳内神経受容体機能を画像化するためには、体内投与した放射性薬剤の濃度を表す画素値の時系列変化をモデル式にあてはめ、各画素でモデルパラメータ(神経受容体機能)を推定しなければならない。このパラメータ推定を高精度に行うためにはPET画像に含まれるガウシアンノイズが問題となるため、画像のガウシアンノイズ除去が必要となる。また、PETの画像では空間分解能が約6mmであるため、脳内の構造がぼやけ画素値の定量性が失われる部分容積効果が観察される。本研究は、PET脳神経受容体機能の定量画像化を可能とするために、ガウシアンノイズ除去及び部分容積効果補正に関してシステムを構築し、臨床データに対して適応を行い実際の効果を評価することを目指している。前年度までに、ウェーブレッド変換を用い神経受容体機能画像の計算に用いる時系列情報を含んだPET画像にガウシアンノイズ除去処理を行い、算出される機能画像の雑音信号比の改善及び精度が向上することを示してきた。また、ウェーブレッド変換にMRIなどの形態情報を組み込んで部分容積効果を補正する方法の提案も行った。最終年度は、前年度に構築したPET脳神経受容体機能の定量画像化を可能とする部分容積効果補正に関する画像処理システムの有用性を脳を模擬した数値シミュレーションによって実証を行い、特に、部分容積効果補正が必要とされている臨床例(脳内ドーパミンD2受容体結合能や脳萎縮が進行した痴呆患者の糖代謝画像)への適応を行いその効果・有用性を評価した。この成果は、雑誌Neuroimageにて誌上発表された。
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