2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNA担持ポリマーナノミセルの精密構造制御と高感度センシングデバイスへの応用
Project/Area Number |
19700412
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
金山 直樹 The Institute of Physical and Chemical Research, 前田バイオ工学研究室, 協力研究員 (80377811)
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Keywords | DNA / ブロック共重体 / 温度応答性高分子 / ミセル / バイオコンジュゲート |
Research Abstract |
今年度は,DNAを一成分とする温度応答性ブロックコポリマーの精密合成法の確立を中心に研究を遂行した.温度応答性高分子として,ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(以後,PNiPAAm)に着目し,当該モノマーをリビングラジカル重合法の一つである可逆的付加解裂連鎖移動重合法(以後,RAFT重合法)により重合し,重合度および分子量分布の規定されたPNiPAAmを得た.RAFT重合法によって得られたPNiPAAm鎖は,片末端にチオカルボニルベンジル基を有しており,水素化ホウ素ナトリウム水溶液中での穏和な還元処理によりほぼ定量的にチオール基に変換出来ることをFT-IR測定により確認した.得られた末端チオール化PNiPAAmは,5'末端にマレイミド基を有する一本鎖DNA (7-10mer)と中性pH,室温の穏和な条件下で効率的にカップリングすることがサイズ排除クロマトグラフィー(以後,SEC)測定から確認できた.反応溶液中に残存する未反応成分などの夾雑物は,ゲルろ過法およびイオン交換法によって完全に取り除くことができ,目的物であるPNiPAAm-DNAブロックコポリマー(以後,PNiPAAm-b-ODN)のみを回収することができた.得られたPNiPAAm-b-ODNの分子量分布は,DNAとのカップリング反応前とほぼ同等に狭く(M_w/M_n<1.2)保持されていることがSEC測定により確認できた.本手法によりPNiPAAm鎖の分子量が異なる4種類のPNiPAAm-b-ODNを得た.光散乱計等を用いた予備検討の結果,PNiPAAm-b-ODNは水溶液中において溶液温度に応答してミセル様の会合体を自発的,かつ可逆的に形成することが示唆された.
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