2007 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性軸索損傷「見えない障害」に対する新しい脳機能画像評価の試み
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19700429
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉山 謙 Tohoku University, 東北大学・大学院・医学系研究科, 助教 (40372289)
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Keywords | びまん性軸索損傷 / 高次脳機能障害 / fNIRS / リハビリテーション |
Research Abstract |
びまん性軸索損傷(DAI)は高次脳機能障害が存在するにもかかわらず、画像診断で異常を指摘することが困難な場合が多い。しかし近年、脳疾患に対する画像評価法はその技術的進歩を遂げており、様々な方法が開発されてきている。なかでも近赤外光を利用した近赤外分光法(near infrared spectroscopy; NIRS)による脳機能活動計測(functional NIRS; fNIRS)に非侵襲的な脳機能評価法として注目され、その臨床応用が広がってきている。本研究ではfNIRSを用いて従来の画像診断では明らかな異常を指摘することが困難であったDAIの脳機能状態を明らかにし、リハビリテーションへの応用を図ることを目的とした。 平成19年度はまず、脳機能活動の正常パターンを検討するため、4名の健常者においてTrail Making Test part B (TMT B)を脳賦活課題としたfNIRSの測定を行った。fNIRSの測定部位は前頭葉部とした。同時にDAI患者のエントリーを開始した。エントリー基準としては全身状態良好で、高次脳機能障害を有するが従来の画像診断で異常所見に乏しい慢性期DAI患者とし、全身状態および精神状態不良で課題施行困難な例は除外とした。 来年度も引き続き健常群の正常パターンの検討と、健常群と同様にTMT Bを脳賦活課題としDAI群のfNIRS測定を行い、健常群と患者群との脳機能活動状態の解析・比較を行い、従来の画像診断では客観的評価が困難であったDAI患者の脳機能障害の状態や程度について評価・検討を行っていく予定である。さらに得られた患者群の所見から、リハビリテーション治療への応用を検討していく予定である。
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