2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700441
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
園田 和香 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 保健医療学部, 助教 (10420663)
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Keywords | CBR / 障害児(者) / タイ / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
タイでは1991年に障害者福祉リハビリテーション法が制定されて以来,医療保健福祉分野の重点課題として障害者対策に取り組んでいる。都市部の一部の障害者においてそれらの成果は得られているものの,7割以上が村落部に住むといわれている多くの障害者にはこれらのリハビリテーションサービスがほとんど行き渡っていない現状にある。このような村落部において,障害者が等しくリハビリテーションサービスを受けられるようになるためには,障害者を支援する地域住民と協力し,地域の実状にあった社会資源を活用し,住み慣れた地域でより良い生活を送ることを目指す『地域に根ざしたリハビリテーション:community-based rehabilitation(以下CBR)』の実践が重要と考える。 平成19年度は,タイのチャイヤプーム県でCBRを実施するための予備調査として,障害児(者)の実態を把握し,作業療法士として実施した現地障害児(者)への支援の内容について検討した。県庁職員や郡立病院の看護師,村役場職員等とチームを組んで8郡12村に暮らす61名の家庭を訪問調査した。その結果,以下の現状と課題が明らかとなった。1)村の障害児(者)は,孤立することなく,ゆったりとした村の生活環境と人間関係の中で受け入れられている。2)介助する(される)ことが当然の習慣になっており,障害児(者)の生活能力は,開発されないままでいる現実がある。3)CBRは,村の生活に沿った方法で返し実践されないと定着しない。4)障害児(者)の活動参加を妨げる要因には環境的バリアが最も大きいが,これを補う(経済的発展による環境整備)対策が皆無である。5)一部の家庭で日常生活能力の向上のための取り組みが工夫されてるが,これらの役に立つ情報は村全体で共有する形に発展していきにくい。
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Research Products
(1 results)