2007 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害児におけるシンボル内蔵型PDAを用いた適応指針の構築に関する研究
Project/Area Number |
19700442
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
大歳 太郎 Seijoh University, リハビリテーション学部, 准教授 (40336483)
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Keywords | 自閉性障害 / 視覚シンボル / マッチング / PDA / 健常児 |
Research Abstract |
本年度は,カテゴリーを用いず2語文として使用できる絵カード型シンボルを内蔵したプロトタイプ機器の適応に関して,ノートパソコンを使用し予備的に検討した. ノートパソコンの画面上にPDAの形状が表示され,PDA上部に4分割された「食べ物」「飲み物」「乗り物」「場所」「余暇」の名詞シンボル10パターンの計40個,そして下部に2分割された「対義語」シンボル8パターンの計16個のシンボルが内蔵されている.つまり,実際のPDA画面では上部4つの名詞シンボル,下部2つの対義語シンボルの計6つのシンボルが表示されている.上部と下部それぞれの画面が矢印ボタンを選択することで左右に独立してスクロールするため,上部と下部それぞれに適切なシンボルを選択すると2語文として使用できる. 対象は,3歳6ヶ月の健常女児と8歳7ヶ月の健常男児,各1名の計2名であり,児と保護者に本研究の目的を説明し了承を得た.方法は,別に作成した提示用のシンボルを対象児に言語と視覚で提示し,それと同じシンボルをノートパソコン上に表示されているPDA画面から選択する方法を取った。実験課題は,1つのシンボルのマッチング課題5問,2語文で適切に回答する2つのシンボルのマッチング課題5問の計10問であり,正答数を評価した. 結果,3歳6ヶ月の児では,上部下部ともに1つのシンボルのマッチングは5問正答した.一方,2つのマッチング課題はすべてできなかったが,「矢印を押して」などの手がかりを与えると探し出すことが可能であった.8歳7ヶ月の児は,すぐに内容を理解し10問すべて正答した. 3歳6ヶ月の児でも,1つのシンボルのマッチングおよび手がかりを与えると2つのシンボルのマッチングを理解できており,プロトタイプ機器を使用できる可能性を示唆した.8歳6ヶ月ではすぐに使用可能であり,さらに低年齢での使用が可能であると考える.
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Research Products
(1 results)