2009 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害児におけるシンボル内蔵型PDAを用いた適応指針の構築に関する研究
Project/Area Number |
19700442
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
大歳 太郎 Seijoh University, リハビリテーション学部, 准教授 (40336483)
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Keywords | 自閉症 / 視覚シンボル / マッチング / PDA / AAC / 絵カード / タッチパネル |
Research Abstract |
本年度の目的は,PDAの形状がノートパソコン上に表示される機器を用い,二語文として使用できる絵カード型シンボルを内蔵したパソコン上で動くソフトを自閉症児に用いて,精神発達年齢別の特徴を分析することである.対象は,3歳4カ月から6歳8カ月(男児11名,女児5名)の自閉症児と自閉傾向のある児であり,平均月齢は62±14ヶ月であった.測定機器には,筆者らがすでに業者に依頼して開発した,絵カード型シンボル内蔵ソフトをPDAに取り込んだ機器を用いて測定した.このソフトはパソコン画面上にPDAの形状が表示され,PDA上部に4分割された「食べ物」「飲み物」「乗り物」「場所」「余暇」の名詞シンボル10パターンの計40個,そして下部に2分割された「対義語」シンボル8パターンの計16個のシンボルが内蔵されている.評価では,当該機器を用いて,言語指示によるマッチング課題を実施した.マッチング課題において,全問正解を「課題通過群」,それ以外を「課題不通過群」として比較検討した.遠城寺式・乳幼児分析的発達検査の下位項目である「発語」と「言語理解」の精神発達月齢を算出した.結果,「課題通過群」は16名中3名,「課題不通過群」は16名中13名であった.「課題通過群」と「課題不通過群」における発達月齢の比較では,発語領域では「課題通過群」49.0±5.1ヶ月,「課題不通過群」35.0±9.5ヶ月であり,有意な差が認められなかったが,言語理解領域では「課題通過群」53.3±2,8ヶ月,「課題不通過群」31.5±11.5ヶ月であり,有意な差が認められた(p=0.18).本研究により,自閉症児にPDAを導入する際には言語理解能力の発達を考慮する必要があることが示唆された.
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Research Products
(3 results)