2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミラーセラピー・運動イメージ・運動観察中の脳活動メカニズムの解析
Project/Area Number |
19700457
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
松尾 篤 Kio University, 健康科学部, 助教 (80368604)
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Keywords | 運動療法学 / リハビリテーション科学 / 神経科学 / 非侵襲的脳活動計測 / 脳循環疾患 |
Research Abstract |
本研究では,健常者におけるmirror illusionの知覚,運動イメージ,他者運動観察中における脳神経活動をfNIRS(島津製作所製FOIRE3000)で記録し,酸素化ヘモグロビン(oxyHb)濃度を比較することが目的である。Mirror illusionとは,1側上肢を対側上肢の位置に合わせて設置した鏡に反射させることにより,鏡背面にある肢の運動がないにも関わらず運動しているような錯覚が生成されることであり,上下肢の運動障害の治療に応用されてきている。参加に同意した右利きの健常ボランティア14名を対象とし,他者運動観察,運動イメージ,mirror illusion中の脳血流酸素動態(fNIRS)を測定した。fNIRSのプローブ配置は8×4の52チャンネルとし,防音室内で測定を実施した。運動観察・イメージ条件ではmentalrotation課題を実施した。これは視覚提示された手の写真の左右を素早く正確に判断する課題であり,運動観察に併せて身体運動イメージの操作を含む心的課題である。安静条件に比較して,Mental rotation課題施行中において,前頭,頭頂領域のoxyHb濃度の有意な増加が確認され,ミラーニューロンシステムとの関係性が推察された。Mirror illusion条件とコントロール条件の比較では,mirror illusion中に前頭葉,運動前野領域の活性が見られたが,運動錯覚の強度と脳活性の増加との間の相関は認めなかった。運動観察と運動イメージの併用,また運動の錯覚を応用したリハビリテーション効果のメカニズムをさらに明らかにしていく必要がある。
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Research Products
(2 results)