2007 Fiscal Year Annual Research Report
手指麻痺患者の自在な把持動作を実現する実用的ソフトパワーグローブの開発
Project/Area Number |
19700474
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
諸麥 俊司 Nagasaki University, 工学部, 助教 (70346930)
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Keywords | 生体機能利用 / 機械力学・制御 / 医療福祉 / 人間生活環境 / 計測工学 |
Research Abstract |
本研究では、手指麻痺患者の指先運動を実現するために、柔らかで使いやすいパワーグローブの開発に取組んでいる。頚椎損傷や脳梗塞などにより手指に麻痺を負い、日常生活で多くの不便を抱え、社会復帰を断念している人は全国に数多くいる。しかし、彼ら手指麻痺を負った人々のための工学的支援技術の開発は未だ充分ではない。本研究は実用的なパワーグローブを実現し、手指麻痺者の生活改善および社会復帰の手段を提供することを目的とする。 本年度に行った主要な取り組みは以下のとおり。(1)グローブ部分の構造設計・試作-提案する駆動方式を採用したグローブ部分の試作を行った。まだ5本指のうち一本のみの駆動ではあるが、柔軟な構造で意図したとおりの指の屈曲・伸展の動作を実現することができた。今後は駆動可能な指の数を増やすと同時に、より複雑な動作が可能となるよう、改良を進める。(2)駆動システムの開発・評価-提案する駆動装置の試験装置を製作し、テストを行った。グローブ部分に搭載可能な小型、軽量で且つ充分な力を発生させることができる駆動装置の試作を行い、入力信号の変化により駆動力を安定的に増減出来ることを確かめた。 来年度にはグローブ部分の更なる改良を行い、より複雑な指の動きを実現すると同時に、駆動装置と制御ソフトウェアの改善により、より繊細な握力制御を実現する。また利用者の操作意図を的確に読み取る専用入力装置の開発も進め、利用者の意図どおりに複雑な指の動作を可能とする実用的パワーグローブの実現を目指す。
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