2008 Fiscal Year Annual Research Report
手指麻痺患者の自在な把持動作を実現する実用的ソフトパワーグローブの開発
Project/Area Number |
19700474
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
諸麥 俊司 Nagasaki University, 工学部・機械システム工学講座, 助教 (70346930)
|
Keywords | 麻痺 / 機能代替 / 手指 / 障害者福祉 / 生活支援 / グローブ / 能動装具 |
Research Abstract |
本研究では手指麻痺者の生活改善および社会復帰の手段を提供することを目的として、柔軟素材のみで構成され、五指の自由な運動が可能となるパワーグローブの開発に取り組んだ。本年度に行った研究活動の概要は以下のとおり。 (1) 五指を健常者と同程度の自由度で動かせることが可能なグローブの設計・試作 : グローブは柔軟性と使用感の良さから豚革を素材として用いた。しかし、内部に駆動用の糸を張り巡らすにあたり、豚革の大きな摩擦抵抗が問題となった。効果的な駆動糸の配置や、摩擦低減のために縫い付けるガイドチューブおよび駆動糸の材質など、摩擦力測定実験と製作を繰り返し、最適な構造を模索した。 (2) 第一指(母指)の伸展/屈曲、内転/外転、内旋/外旋、さらに第二一五指の伸展/屈曲を実現するために、計7個のサーボモータを用いて、それぞれの駆動を行うための駆動装置の開発を行った。現時点ではシステムの簡素化のために、第二指と第三指、第四指と第五指の伸展・屈曲運動はそれぞれひとつのモータで同時に行う方式を採用した。 (3) 上記駆動装置を駆動させるためのコントローラをマイコンを用いて構成し、その制御プログラムの開発を行った。 (4) 実験を通して、五指を用いてのテニスボールの投球・捕球動作、缶飲料の把持、シャンケンなど麻痺した指で様々な動作の実現が確認できた。 今後は実用化に向けて、更なる握力の向上、容易な着脱の実現、駆動装置の軽量化、などに取り組む予定である. 現在特許申請の準備中であり、申請後ただちに論文発表など成果の公表を行う。
|