2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・視覚障害者の視的生活機能を評価する新しい近用コントラスト視力検査法の開発
Project/Area Number |
19700478
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉弘 和展 Kyushu University of Health and Welfare, 保健科学部, 助教 (90369182)
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Keywords | コントラスト視力 / 日常生活 / 視活動 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者および眼疾患がある患者で特異的に低下するコントラスト視力について、視的生活機能を評価する「近用コントラスト視力検査法」を開発することを目的としている。平成19年度には、日常生活の視対象物のコントラストを基盤とした視力表を設計・作製し、試作した視力表の作製精度および測定精度について検証した。 視力表の視標は、最小分離域測定用の視標としてランドルト環を採用した。近見30cm測定用で、視力値(0.04〜1.5)、コントラスト90%のチャートを作成した。視標サイズの作製精度の検証として、視標サイズの理論値に対する試作した視標の相対誤差を算出した。測定の結果、相対誤差はすべての視標で±10%以内を示した。 視力表のコントラストは、視標輝度を一定とし背景輝度を変えることで10段階に設定した。背景輝度はフィルムに出力する網点の濃度を増減させ、フィルムの透過性の違いにより可変させた。コントラスト値は、100種類の背景輝度を実測し算出した。実測した結果、コントラスト値の精度については、設定したコントラスト値に対する相対誤差が±5%を上回り、精度が低かった。その原因には、試作した視標の視標表面の光の乱反射が影響していた。 本年度の研究結果から、視標サイズに関しては相対誤差±10%以内の視標が作成できたため、近見視力の定量的測定が可能であることが示唆された。次年度からは、視標コントラストの相対誤差を±5%以内に最小限にとどめるべく、視標表面加工等の作製方法を改良する必要がある。
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