2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・視覚障害者の視的生活機能を評価する新しい近用コントラスト視力検査法の開発
Project/Area Number |
19700478
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉弘 和展 Kyushu University of Health and Welfare, 保健科学部, 助教 (90369182)
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Keywords | 動的環境 / 視運動眼振法 / 近用視力 |
Research Abstract |
まず、日常の視活動を基盤とした近用コントラスト視力検査法の開発に際して、検査に用いる視標形状および提示方法について検討した。その結果、日常の視活動においては、静止した視対象物を認識するだけではなく、視対象物が動く条件や自身が動くといった動的環境が主となると考えた。そこで、従来から用いられている静止条件での近見視力ではなぐ、動的条件の視運動眼振法(以下OKN法)を用い、近見視力との相関関係について調査し、OKN法における視標の形状および提示方法の近用コントラスト視力検査法としての有用性たついて検討した。 対象は19〜22歳(20.8±0.7歳)6名とした。自覚的屈折検査による屈折矯正で、遠見および近見ともに矯正視力1.0以上、眼位・眼球運動に異常がなく、屈折異常以外眼疾患のない者を条件とした。 OKN法の視標は、視力1.0、0.5、0.2、0.1に相当する4つの点視標を作成し、モニター上に縦方向に等間隔に6つ配列した。視標はモニター上を30deg/secで左から右に移動するよう設定し記録した。OKNの記録はneuro pack MEB-2200を用いた。近見視力は標準近距離視力表を用いて測定した。得られたOKN法による視力値と標準近距離視力による視力値との相関関係を求めた。 今回作成したOKN視標のうち、0.1、0.2、0.5視標でOKNを誘発することができた。1.0視標ではOKNは誘発されなかった。OKN法による視力値と標準近距離視力による視力値との間には有意な正の相関が認められた。OKN法による視力値と動的条件であるOKN法は、静止条件での近見視力とも相関があり、日常の視活動を想定した近用視力の評価方法として有用であることが示唆された。
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