Research Abstract |
平成19年度には食材や献立に関するデータベースシステムの基礎部分を構築をした.それに続き平成20年度には,食材にICタグを取り付けることにより,冷蔵庫からの食材の出し入れ回数や時刻などの情報を自動的に取得することが可能となるよう,情報システムの機能拡張を行い,利用者の利便性の向上を図った.これらに引き続き、平成22年度は大まかに以下の2点について研究・開発を行い,被験者によるシステムの評価を行った. (1) 献立提案アルゴリズムの構築 本情報システムの目的は,利用者の健康増進であり,エネルギー摂取量の超過を妨げ,栄養バランスのよい献立を提供することが重要である.そこで,利用者の基礎情報(現在の身長,体重,性別,年齢)を基に,基礎代謝量,標準体重を計算し,1日の推奨エネルギー摂取量を推定し,その値を超えない献立を提示するシステムを構築した.このとき,いろいろな献立の組み合わせの候補が考えられるが,塩分,脂質,炭水化物,コレステロールなど主な栄養素11種がバランス良く摂取できる献立を優先的に提示するよう,献立提案アルゴリズムを設計・構築した. (2) ユーザインタフェースの改良 webベースのGraphical User Interface(GUI)を作成し,使い勝手の良いユーザインターフェースの作成に取り組んだ.ユーザが選択した献立に含まれるエネルギー他11種の栄養素の量が分かるよう,数値として表示した.また,1日のエネルギー摂取量が直感的に分かるよう,グラフ化し表示した,このことで,ユーザに対し摂取エネルギー,および各種栄養素の過不足を意識させ,食生活の改善を意識づけさせた. これまで構築してきたシステムを7名の被験者に評価してもらった.「適正エネルギー表示がありがたい」や「ダイエットに効果がありそう」という高評価も得られたが,「レシピ選択が複雑で不便」などの指摘も頂いた.
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