2008 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティダンスにおける共創プロセスについての研究
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19700492
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
林 麗子 Nagoya University of Arts and Sciences, ヒューマンケア学部, 助教 (10410896)
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Keywords | コミュニティ / 身体 / コミュニケーション / 障害 |
Research Abstract |
本研究では、「コミュニティ」概念の変遷に伴う「共に踊ること」の今日的意義について、日英において実践調査を行い、さらに身体表現による共創プロセスについての分析を試みた。具体的には、(1)国内外におけるコミュニティダンスの実践について調査し、文化社会的背景をおさえた上で、その社会的役割や問題点について統括すること(2)コミュニティダンスの実践場面における共創プロセスを分析し、身体表現によるコミュニケーション機能について検討すること(3)ワークショップを実践し、省察および動きの分析をすることで、ワークショップファシリテーターに必要な身体性や専門的技術について言及することを目的としている。 平成20年度の研究実績としては、19年度に引き続き、国内における「コミュニティダンス」実践について、フィールド調査を行った。主な調査対象として、クリエイティブ・アート実行委員会(企画制作 : ミューズ・カンパニー)が主催する「コミュニティ・ダンス・インターンシップ・プログラム」に参加し、他の実践家たちや需要サイド等、関係者からの声を得た。さらに、実際に「障害者」と「健常者」による5日間のコミュニティダンスのワークショップを実践し、その共創プロセスを分析することで、両者の関係性を探り、身体表現活動がコミュニティ生成に貢献しうる可能性や、その場を創るファシリテータのあり方について論じた。本研究は、単に第三者的立場からの研究ではなく、研究者自身が実践を行い、そこでの省察を踏まえながら、研究者自身の「枠組み」や「概念」を見つめ直し、新たに実践を試みるアクションリサーチである。今回実施したワークショップは一つの契機にすぎなく、これを元に今後は、「今何が必要であるか」ということを真に問いながら、省察をふまえた上で、実践的試みを続けたい。
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