2008 Fiscal Year Final Research Report
ダンスがもたらす身体の適応現象‐下腿三頭筋の筋持久力に着目して‐
Project/Area Number |
19700494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical education
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
YOSHIDA Misaki National Institute of Health and Nutrition, 栄養研究所, 研究員 (00415605)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Keywords | ダンス / 筋持久力 / 下腿三頭筋 / 筋の適応 / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究では、ダンスにおける足底屈運動の動作特性を明らかにし、さらに足底屈動作中にみられる下腿三頭筋に生じる適応現象を表面筋電図によって評価することによって、神経系の要因から検討し、ダンス経験者にみられる筋持久力特性を明らかにすることを目的として行った。平成20年度は、疲労困憊にいたる等尺性足底屈運動中の下腿三頭筋の筋活動様相にみられるダンストレーニングによる適応現象を調査することを目的とし、調査をおこなった。ダンス経験者10名および運動習慣のない女性8名を対象に、疲労困憊に至るまで持続的な等尺性足底屈運動を行わせた。前年度の結果および先行研究考証により、運動強度を最大随意筋力の30%とした。ダンス経験者のうち6名は週に5日以上レッスンを行っていた。足底屈運動中、下腿三頭筋より表面筋電図を導出し、筋電図積分値および平均周波数を算出した。その結果、運動時間には両群に有意な差は認められなかった。しかし、筋活動様相は両群で異なった。運動時間にはダンスによる効果がみられなかったものの、ダンス経験による神経系への適応が認められ、持久的運動中のストラテジーが異なる可能性が考えられた。 下腿三頭筋は、日常生活においても直立姿勢の保持から、歩行・走行・跳躍といった移動運動までを担うため、非常に活動の多い筋の一つであり、筋持久性が必要である。本研究の結果、持久的な力発揮中の筋活動にダンスによる適応が認められたため、プロフェッショナルのダンサーのみならず、他の人々を対象とした健康スポーツとしてのダンスの可能性を示すことにつながると考えられた。
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