2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700508
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山門 一平 Tokai University, 医学部, 助教 (20328157)
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Keywords | エンバーミング / 防腐処置 / 運動動態 / ひずみ / 靱帯 / 関節 / バイオメカニクス / 萎縮モデル |
Research Abstract |
20年度までに行われた関節の運動動態基本データをさらに増やした。 特に、前年度までにエンバーミング法を改良することによって確立されたご遺体の関節を用い、主要関節の靭帯内に直接、ひずみゲージを挿入することでデータ計測を行った。本研究において、計測されたひずみデータは、胸鎖関節で7体13例、肘関節9体14例、仙腸関節10体20例、膝関節14体25例となった。 さらにそれぞれの大型の靭帯部位においては、さらに詳細な靭帯の運動動態を分析するために、複数の計測点を増設・設置した。これにより主要4関節における運動動態のモデル化をまとめた。ひずみデータを解析した結果、4関節で共通した特徴として、先行研究等によって既知されていた通りに、関節靭帯は関節の安定性のための保護的な要素を持ち合わせていた。研究結果からは、生理的な運動条件下での靭帯動態は、比較的、一定範囲内の変動に過ぎなかった。しかしながら、関節可動域が広がるにつれて、ひずみデータが増加し、可動域上限に至ってはデータ値が大きく上昇し、靭帯機能としての安定性貢献度が高まったことが考えられた。個々の関節における詳細については論文にて発表予定である。 生理的条件下における運動動態分析が終了する一方で、非生理的条件下における関節動態の計測方法を確立するために、動物実験でラット筋萎縮モデルを利用した。ラットの右後脚にギブスを装着することで、下肢筋の萎縮を誘導し、骨と筋量の分析から、筋萎縮モデルによる非生理的条件下における運動動態計測モデルを構築した。この筋萎縮モデルでは、10日間のギブス固定脚で骨は約5%弱、筋においてはヒラメ筋で約40%強の萎縮が認められた。 今後、このモデルを用いた非生理的状態下における運動動態メカニズム分析を継続研究として続けていきたいと考えている。
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