2007 Fiscal Year Annual Research Report
野外活動用被服類のフィールドにおける被服内気候と快適性
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19700567
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
前田 亜紀子 Nagano Prefectural College, 生活科学科, 助手 (00286692)
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Keywords | 野外活動 / 被服類 / 衣服内気候 / 快適性 / 平均皮膚温 |
Research Abstract |
野外活動において雨衣は必要不可欠なアイテムである。雨衣の快適性を評価する際、実際の野外での着用評価が求められ、平成20年度これに着手する。実施に先立ち把握すべき事項がある。平成19年度では、1)過酷な寒冷下では衣服内気候および温冷感はどのように推移するのか、2)帽子、フード、ザック等はどのように影響するのか把握した。 被験者は健康な成人女性6名であった。人工気候室は気温25,20,10 (以上RH50%)、および0,-10℃(以上湿度は成り行き)の5条件に設定した。衣服条件は環境条件にあわせ、クロー値が25,20℃で0. 89clo、10℃で1. 14clo、0,-10(Cで1. 37cloとした。実験は椅座位安静10分(R)、フード無作業10分(W1)、フード着用作業10分(W2)、ザック装着作業10分(W3)の順に従事した。測定項目は皮膚温7点、衣服内気候12点(1点は胸部第2層)、酸素摂取量、および主観申告(全身温冷感、局所温冷感、湿り感、不快感)とした。 平均皮膚温は、条件25, 20℃では34℃付近でほぼ一定の推移を示し、条件10, 0, -10℃では漸減した。全身温冷感は前者では大きく上昇し、後者ではわずかな上昇を示した。平均皮膚温が33±1℃水準にあるとき、温冷感は中立であるとされるが、条件25, 20℃ではこれに当てはまらず、温熱的快適性を評価できない。フード装着作業W2以降、胸部の衣服内温度は25℃条件において上昇し、頭部の衣服内気候は全条件で上昇を示した。頭部の被覆による影響が、気温25℃では胸部にも及んだと考えられる。ザックはW3にて装着した。これにより背部の衣服内温度が増大した。これは他の部位では観察できず、背部に特異的であると言える。野外ではできるだけ少ない衣服内気候の測定箇所が望まれるが、天候や身体活動状況に応じた着用が反映される観察であることと同時に、発汗等を配慮したセンサーの工夫、測定が必要となる。
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Research Products
(3 results)