2008 Fiscal Year Annual Research Report
野外活動用被服類のフィールドにおける被服内気候と快適性
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19700567
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
前田 亜紀子 Nagano Prefectural College, 生活科学科, 助手 (00286692)
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Keywords | 野外活動 / 被服類 / 衣服内気候 / 快適性 / 体温調節反応 / 主観申告 |
Research Abstract |
平成20年度は、(1)模擬的な漸進的濡れが体温調節反応に及ぼす影響、(2)発汗モデルを用いた結露現象の観察、(3)氷点下から常温環境下における透湿性防水素材着用時の被服内気候の観察、(4)冬季野外活動時における生理・心理的影響について観察し、これまでに得られた実験の知見と比較した。 (1)の結果として、降雨量が少なく、かつ衣服が軽装より長袖長ズボンで直腸温が高く、軽装では気温30℃下であっても、漸進的な濡れに伴って低下した。平均皮膚温も同様に低下が観察された。衣服内気候は、濡れ面積の増大と衣服の湿潤率増加によって、放熱量が増すことから雨量に左右される。気温30℃下であっても、漸増的濡れは中立の温冷感、快適感が得られない。(2)は発汗モデルを用い、透湿性および非透湿性防水素材の氷点下における結露現象を観察した。種々の条件設定から、後者は着用や使用が長期化するほど結露が著しく、氷点下における被服や装備として、透湿性防水素材を用いることが推奨される。(3)では(2)のモデル実験結果を得て被験者実験を遂行した。発汗を伴う作業を行わせたが、今回の実験条件では生理・心理的効果が認められなかった。この理由は検討中である。(4)の野外実験で被験者は、環境条件に対応する衣服構成を自ら選択し、寒さ感の愁訴をわずかに抑えた。衣服内温度と全身温冷感申告値の関係について、実験室実験で得た回帰式と比較した結果、冬季野外実験においては個体差およびバラツキはあるものの、第1層ではほぼ一致し、第2層では衣服内温度は低めとなった。これは、腋窩温の測定による動作および屋外の風の影響があったためと推察する。なお、第1層における衣服内湿度と発汗感には高い相関が認められた。冬季の野外活動時における快適性評価に際し、胸部衣服内気候の測定は有用であることを確認した。
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Research Products
(5 results)