2009 Fiscal Year Annual Research Report
野外活動用被服類のフィールドにおける被服内気候と快適性
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19700567
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
前田 亜紀子 Nagano Prefectural College, 生活科学科, 助教 (00286692)
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Keywords | 野外活動 / 被服類 / 降雨装置 / マネキン / 雨天暴露 |
Research Abstract |
平成21年度は、衣類が雨に濡れていく過程を、降雨装置ならびに自然下降雨において観察を行い比較検討した。 降雨装置による実験から、衣服の重量増加がもたらされるとき、次式が成立する。W=R・T・A・C・D±F+e-E(W:衣服重量増加分、R:単位時間雨量、T:暴露時間、A:雨滴の落下方向からみた衣類の投影面積、C:衣類の雨滴捕捉率、D:水の密度、F:落下や伝わりなどによる水分移動量、e:人体の発汗がもたらす濡れ、E:当該衣類からの蒸発量)。これらの内、R、T、Aが支配的であることから、各要素とWとの関係について把握するため、内径2ミリのチューブを用い、サイフォン方式による雨滴発生装置を作製し、マネキン(成人女子型)と有人(成人女子2名)による衣類の濡れ実験を行った。衣服条件は、様式TではTシャツ、短パン、また様式Sではスウェット上下を着用させた。帽子、Tシャツ、靴下、ショーツ、スポーツ用ブラジャー、サンダルは両様式に共通する。マネキンの姿勢は直立、傾斜6度、傾斜13度の3種とし、雨天暴露時には一定の時間間隔で90度ずつ回転させた。有人による実験では、メトロノーム音に合わせ、前後方向約30cmの距離を水平に往復させた。 野外活動時における雨天時に衣類が濡れて行く過程として、模擬装置を用いた実験を行っているが、装置が発生する水滴のサイズは大きい。しかしながら自然の雨では概して小さい。また野外では風の影響があり雨量も変動する。そこで、野外実験に適した雨量評価法について検討し、自然の雨天条件において衣類がどのように濡れるのか観察した。雨量計は通常型、円筒タオル型、漏斗型の3種とした。マネキン(成人女子体型)2体を用い、異なる衣類条件を与えた。様式TではTシャツ、短パン、また様式Sではスウェット上下とし、帽子、Tシャツ、靴下、ショーツ、スポーツ用ブラジャー、サンダルは共通とした。これらを雨天時に、大学グランドの所定の場所に設置し、暴露前後の衣服重量を測定して濡れ具合について評価した。またこれらと併せ、水分の蒸発特性について評価するため、水を入れた容器と濡らした円筒タオルの重量変化を測定した。雨量と暴露時間に応じた衣類の濡れによる重量増加が観察された。
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Research Products
(6 results)