2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会における自然環境保全活動支援システムの構築とコミュニティ形成に関する研究
Project/Area Number |
19700568
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Research Institution | Osaka Junior College of Social Health and Welfare |
Principal Investigator |
辻本 乃理子 Osaka Junior College of Social Health and Welfare, 介護福祉学科, 准教授 (00435314)
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Keywords | 環境政策 / 自然環境保全 / 活動支援 / コミュニティ / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究の研究計画に基づき平成21年度は、英国における自然環境保全活動支援状況の把握と自然環境保全政策および地域コミュニティ政策の把握のため、英国West Midlands地方で活動する民間の自然環境保全活動団体、自治体、行政機関を対象にヒアリング調査を実施した。調査対象として、近年注目されている「生物多様化」の視点で活動やプロジェクトを実施しているものを対象とした。 特に今回注目たのはLiving Landscapesである。これは英国第3位の環境に関する民間組織であるThe Wildlife Trustsが独自で作成した気候変動や生物多様性、持続可能性を視点に都市および都市郊外農業地域における自然環境保全活動に対する戦略的ビジョンを示すものであり、この戦略的ビジョンに基づき活動を行っている。Living Landscapesの活動地域は英国全土で100か所以上指定され、各支部がそれぞれの地域の特性に応じ、独自の活動を行っている。保全の手法としては、それぞれ個別に野生動物の保護やそれらの生息する地域を保全・保護することや新たに創造した自然保護区をつなげネットワーク化している。この中には住民の居住地域も保全の対象地域となっている。Living Landscapesの概念や活動等は行政機関に評価され、行政機関の自然環境保全計画や活動にも影響を及ぼしている。 The Wildlife Trustsのコミュニティにおける活動については、同じ組織でも都市部と郊外地域では活動の方法、住民や行政との協力関係、資金調達の方法などが異なり、それぞれの地域性にあわせた活動を展開していることが理解できた。 本年度の研究は、日本における環境NPOの活動の充実、地域に根差した自然環境保全活動推進の検討に依拠できるものと考える。
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Research Products
(4 results)