2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700581
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
木原 智子 Chubu University, 応用生物学部, 助教 (10399016)
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Keywords | 水菜 / 褐変 / ポリフェノール / ポリフェノールオキシダーゼ / ペルオキシダーゼ / フェニルアラニンアンモニアリアーゼ |
Research Abstract |
水菜の褐変に関与すると思われる3つの酵素(PPO:ポリフェノールオキシダーゼ、POD:ペルオキシダーゼ、PAL:L-フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)の酵素活性測定法について検討した。市販水菜の粗酵素抽出液を調製し、各活性を測定したところ、至適pHはPPOが6.5、PODが4.2、PALが5.0となった。PPOの基質特異性はpyrogallol、L-DOPA、(+)-catechinの順に高かった。PODの基質特異性はABTS、gallic acid、chlorogenic acidの順に高かった。水菜の根本から1cm及び4cm部位を切断し、色差計により4cm部位のL*値、b*値、a*値を24時間毎に測定したところ、切断後のL*値とb*値に変化は見られなかったが、a*値は切断1日後から一定の割合で上昇し続け、目視による褐変度とよく対応していたのはa*値であった。以上より、水菜における各酵素の活性測定法および褐変度の測定法を確立した。 市販の水菜種子20品種を通気法水耕栽培により栽培した。市販水耕栽培用液肥(ECl.2mS、pH6.4)で良好な生育が見られ、特別な処方は必要としなかった。収穫後すぐに切断した水菜のa*値を測定したところ、切断直後は-10.1〜-7.4と品種によるばらつきは小さかったが、切断直後から切断3日後のa*値の増加量は0.4〜5.0と品種によるばらつきが大きかった。 褐変色素の基質となる水菜に含まれるポリフェノールの同定を試みた。水菜の根本9cm部分を凍結乾燥粉末に調製し、そのメタノール抽出物を得た。ODSカラムを用いてHPLC条件を検討したところ、ギ酸・アセトニトリル系のグラジェント溶出の条件を確立した。保持時間とスペクトルからコーヒー酸とクロロゲン酸が含まれ、切断直後でコーヒー酸が0.1〜1.2μmol/100gf.w.、クロロゲン酸が0.2〜1.3μmol/100gf.w.含まれていることがわかった。 以上のことより、各酵素活性の測定法、褐変度の測定法、水耕栽培の条件、ポリフェノール定量条件を確立でき、水菜の褐変とポリフェノール関連酵素との関連を解明する手だてを得られた。
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Research Products
(2 results)