2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19700581
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
木原 智子 Chubu University, 応用生物学部, 助教 (10399016)
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Keywords | 水菜 / 褐変 / ポリフェノール / ポリフェノールオキシダーゼ / ペルオキシダーゼ / フェニルアラニンアンモニアリアーゼ |
Research Abstract |
水菜の褐変に関与すると思われる3つの酵素(PPO : ポリフェノールオキシダーゼ、POD : ペルオキシダーゼ、PAL : L-フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)の活性と、褐変度の指標となるa*値を、9品種の水菜において切断後旧ごとに4日後まで測定し、3つの酵素活性と褐変度の相関を調べた。また、PPOの活性化条件について検討した。 1. PPOの活性化条件の検討 抽出直後はほとんどPPO活性が見られないが、抽出液を30℃で40分以上インキュベートすると活性が上昇した。PPOは植物によっては不活性な状態で存在していることがあり、水菜の場合は不活性な状態で存在していることが認められた。他の植物由来のPPOはSDSやグアニジンの添加により活性化する場合があるが、水菜PPOはこれらを添加しても活性化しなかった。 2. 各酵素活性と褐変度の相関 a*値は測定期間中を通して緩やかに上昇した。切断直後のa*値と切断4日後のa*値の差を褐変度とした。 (1)PPO活性 活性化処理をしなかった場合、測定期間中を通してPPO活性は見られなかった。活性化処理した場合、生重量あたりのPPO活性は切断直後から切断2日後まで一定の値を示し、その後減少した。生重量あたりのPPO活性が測定期間中を通しての高かった5品種は褐変度も高かった。 (2)POD活性 生重量あたりのPOD活性は測定期間中を通して緩やかに上昇した。比活性は3日後までは一定の値を示したが、3日後から4日後にかけて上昇した。POD活性と褐変度には相関はみられなかった。 (3)PAL活性 生重量あたりのPAL活性と比活性は同じ挙動を示した。切断2日後までは一定の値を示したが、2日後から3日後にかけて上昇し、その後半減する品種と上昇し続ける品種があった。PAL活性と褐変度には相関はみられなかった。 以上のことから、水菜のPPOは不活性な状態で存在するが、活性化した場合には褐変に寄与する可能性が示唆された。
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