2007 Fiscal Year Annual Research Report
学童期の親子における健康教育の実施と健康状態の検討
Project/Area Number |
19700608
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
今村 佳代子 Kagoshima Immaculate Heart University, 看護栄養学部, 講師 (00350182)
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Keywords | 食育 / 健康教育プログラム / 学童期 / 親子 |
Research Abstract |
近年、メタボリックシンドロームの罹患者が若年化しており、小児期からの健康教育実施が望まれている。中でも学童期の食育には保護者の在り方が重要である。そこで本研究では、保護者および子どもの一方ではなく、家族を対象とした健康教育プログラムを作成するための基礎資料作りを目的として、親子同時参加型の健康診断を含めた健康教室を実施し、親子間における体格および食習慣の関係を検討した。 本研究に同意の得られた小学校2校の児童39名と保護者32世帯(父親19名、母親25名)を対象とした。健康診断会では、身体計測、血圧測定、骨量測定を行い、さらに食物摂取頻度、生活習慣および食意識に関する調査を行った。 児童では小児メタボリックシンドロームの基準である臍周囲径80cm以上を示す者は1名のみであったが、診断基準を上回る父親は63.2%、母親は20.0%存在した。親子間の体格は、父親と子どもの間に関係は全くみられなかったが、体重、BMl、体脂肪率、膀周囲径において母親と子どもの間にそれぞれ正相関が示された。そこで親子間の食習慣について検討したところ、子どもと父親の間ではご飯、肉類、果物、油脂類の摂取頻度に正の関係がみられ、母親との間にはご飯、肉類、果物、油脂類のみならず積極的に摂取して欲しい食品である魚類、小魚類、野菜類、摂取を控えた方が良いスナック菓子類の摂取頻度にも正の関係がみられた。母親では父親に比べて、健康診断実施後に食生活面、運動面ですぐに何かを始めようと考えた者、子どもに対して日常気をつけたいことが生じた者が多かった。以上のことから、学童期の児童の体格、食習慣は母親の影響を受けている可能性が示唆された。母親は自身の健康のみならず子どもの健康に対しても意識や意欲が高いことから、母親に対する健康教育を重視することで、より効果的に子どの健康に直結する健康教育の実施が可能になると考えられた。
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