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2007 Fiscal Year Annual Research Report

科学の階層化にともなう電磁気学の方法・目的・理解の歴史的変化についての研究

Research Project

Project/Area Number 19700663
Research InstitutionKanazawa Institute of Technology

Principal Investigator

夏目 賢一  Kanazawa Institute of Technology, 基礎教育部, 講師 (70449429)

Keywords科学技術社会論 / 科学史 / 西洋史 / イギリス
Research Abstract

研究実施計画に基づき、平成19年7月に約2週間、スコットランド国立図書館およびグラスゴー大学図書館のアーカイブにて資料調査を行った。その結果、あらためてウィリアム・トムソンを中心とした19世紀における電磁気学の理論展開においてファラデー効果(光磁気効果)の発見とその理論的解釈が占める重要性を確認した。ファラデー効果は、光と磁気という、異なる分野の現象の相互関係を実証したものである。これは、物理学の諸力が何らかの統一的な力の現れ方の違いであるという可能性を示唆しただけでなく、研究の方法・形式においても積極的な分野間の乗り入れが可能であることを示唆するものであった。そこでは、各分野の物理現象そのものは異なるものと考えられていたため、物理量の形式上の関係性を考えるアナロジーの重要性が意識的あるいは無意識的に大きくなっていった。このことは、研究者が物理的に実在するものとして抱いているイメージが、研究において導入されるモデルとは必ずしも一致しないことを意味する。一般には、物理学者が自然を解釈するために導入するモデルは、自然そのものを簡略的に表現したものと考えられる。しかし、こうした一対一の対応関係は、少なくとも19世紀の雷磁気学において必ずしも正しくはない。しばしば物理的意味の異なる複数のモデルを用いながら現象を説明していく過程は、物理学と数学とがより密接に関連していく過程であるとともに、物理学が自然そのものの解釈(すなわち自然哲学)とは相いれなくなっていく過程でもあった。これらの成果をもとに、平成19年12月に学会発表をおこない、それをまとめた論文を平成20年3月に発表した。現在は、力学的モデル(これは必ずしも今日的なイメージでの「力学」ではないと考えられる)と微分方程式との関係について論文を執筆中である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009 2008

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ファラデー効果の実験と解釈2008

    • Author(s)
      夏目賢一
    • Journal Title

      科学史・科学哲学 21

      Pages: 19-34

  • [Presentation] ファラデー効果のエーテル解釈2009

    • Author(s)
      夏目賢一
    • Organizer
      科学史西日本大会
    • Place of Presentation
      京都教育大学
    • Year and Date
      2009-12-08

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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