2007 Fiscal Year Annual Research Report
文化的景観における人と水環境の関係の研究 -白川郷・五箇山の景観形成とその保存-
Project/Area Number |
19700670
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
豊島 久乃 National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, 文化遺産国際協力センター, 特別研究員 (40443147)
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Keywords | 文化的景観 / 水資源 / 世界遺産 / 水環境 / 文化財 |
Research Abstract |
平成19年度は,南砺市,白川村において明治時代の地籍図を調査し,伝統的な水利用を行っていた時代の取水源に関する情報を整理した。また,戦後の水環境変化を知るための資料として,村史等の文献調査や,水環境に係わる工事関係資料の収集を行った。必要に応じて過去の水路跡などの踏査も行った。このほか,各地区の地形図を収集すると共に,白川村荻町地区の湧水地点にデータロガーを5カ所に設置し,水温と水量(水深)の時系列変化に関する情報を収集している(継続中)。また,荻町地区,菅沼地区(旧上平村地区),相倉地区において,地域の古老に伝統的な水利用や水に係わる出来事に関する聞き取り調査を実施した。特に荻町については集落全地区を網羅する12名を対象に,地区ごとの水利用の違いや景観の違いを検討するための情報も収集した。なお,白川村荻町地区で収集した情報の一部については,白川村荻町地区伝統的建造物群保存地区の環境物件見直し事業の基礎資料として,白川村伝統的建造物群保存地区保存対策協議会の環境物件調査部会へ情報提供を行った。 一方で,文化的景観の自然科学的価値評価に関して,世界遺産委員会の自然遺産分野における諮問機関であるIUCNの見解について,文献調査や,IUCNメンバーへの聞き取り,世界遺産センターが公開している推薦書の調査などを行い,現状把握をおこなった。
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