2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンヴァンシオンからみた有機・減農薬農業の地域的展開-北部イタリアを事例として-
Project/Area Number |
19700671
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
梅田 克樹 Chiba University, 教育学部, 准教授 (20344533)
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Keywords | コンヴァンシオン / 有機・減農薬農業 / アグリツーリズモ / 地産地消 / トスカーナ / ウンブリア |
Research Abstract |
平成21年3月9日~24日にかけてイタリア共和国に渡航し、ウンブリア州およびトスカーナ州において現地調査を実施した。この調査は、平成19・20年度に計3回にわたって実施した調査を補完するものであり、本研究課題の取りまとめに必要な情報を収集するためのものである。 前年度までの調査から、イタリア中北部において高付加価値が得られる重要な作目として、オリーブを取り上げることが必要であると判断した。そこで今回は、オリーブを生産している農場を調査対象とした。訪問先の選定にあたっては、原産地呼称システムを採用して高付加価値化を図っている農場や、オリーブの実をオリーブオイルに加工して直販している農場、有機・減農薬農業とアグリ・ツーリズモを兼営している農場であることなどを重視した。上記を踏まえて、ウンブリア州アッシジ近郊のII Poggio degli Oliviおよびトーディ近郊のAgricola Conti Faina、トスカーナ州フィレンツェ近郊のFattoria Colle Salaを主たる調査対象に選定した。調査対象のアグリツーリズモに宿泊し、経営状況等について詳細な聞き取り調査を実施した。また、これらの農場周辺に広がるオリーブ生産地域においても調査を実施し、事例の蓄積に努めた。 調査の結果、イタリア中北部において高付加価値化を志向する農場には、3つの類型が存在することを明らかにした。すなわち、1)広大な自作地・小作地を有する大地主による経営であり、主に税金対策としてアグリツーリズモを兼営する農場、2)零細農場による経営であり、アグリツーリズモによって農場収入の増加を図ろうとする農場、3)旧都市住民によって買収された農場であり、アグリツーリズモによる収入を経営の柱とする農場、である。
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Research Products
(1 results)