2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700677
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
堀 和明 Meijo University, 理工学部, 准教授 (70373074)
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Keywords | ファンデルタ / 沖積層 / 完新世 / 海進・海退サイクル / 後背地 |
Research Abstract |
海域や湖水域に面して発達する扇状地はファンデルタ(fan delta)や臨海扇状地と呼ばれる.日本列島は湿潤変動帯に属し,激しい地殻変動や頻繁に起きる豪雨のため,土砂生産量が大きく,地形も急峻である.その結果,とくに中部山岳地域から太平洋・日本海に流出する黒部川や富士川,安部川,大井川,天竜川などの河口付近にファンデルタが発達する.地形と堆積物を結びつけ,ファンデルタの発達を解明することが本研究の目的である.研究対象地域として天竜川下流部を選定した. 今年度は,既存ボーリング柱状図を自治体などで収集し,柱状図入力ソフトを用いて収集したデータの整理をおこない,地下地質の概要を把握した.さらに,このような既存ボーリング資料と表層の地形分類(門村,1971)を参考に,河口から約8km上流の天竜川左岸側において,深度50mに達するオールコアボーリングを実施し,堆積物を採取した.採取したコア堆積物については,詳細な記載,色調測定,層相解析,軟X線写真撮影,粒度分析(泥分含有率の測定),加速器質量分析計を用いた放射性炭素年代測定をおこなった. その結果,以下のことがわかった.堆積物は下位から大きく砂礫層,砂泥互層,砂礫層からなり,深度47m付近から沖積層の基底を構成する砂礫層になった.また,年代測定の結果から,10500ca1BP〜7000ca1BP頃までは,1000年当たり10m程度の大きさで堆積物が累重したことがわかった.この堆積速度は7000ca1BP以降に比べて著しく高いことが推定された.
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