2008 Fiscal Year Annual Research Report
衛星搭載合成開口レーダによる氷河・氷床の季節変動と年々変動の研究
Project/Area Number |
19710017
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 和樹 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 情報技術術研究部門, 産総研特別研究員 (60435500)
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Keywords | 合成開口レーダ / 白瀬氷河 / 画像相関法 / 流速 / grounding line |
Research Abstract |
白瀬氷河のように流動が速い対象には、SARの振幅画像のペアに画像相関法を適用することが有効であると考えられ、本研究ではレヾンドSARを用いることにより11年の白瀬氷河の変動の知見を得るために、JERS-1とALOS衛星搭載のSARデータについて、振幅画像間が1回帰だけ離れたペアに画像相関法を適用して白瀬氷河の流速ベクトルを求めた。 ALOS/PALSARによる白瀬氷河の流速プロファイルから、上流からGrounding lineへと流速が速くなり、Grounding line付近において流速が一定となり、Grounding lineから浮氷舌へと再び流速が速くなる僚向が見られた。この傾向は、JERS-1/SARの流速プロファイルと同様な傾向である。ALOS/PALSARの氷流中心におけるGrounding lineの流速は2.27±0.15km/aであり、観測時期によらずほぼ一定の流速であった。一方、JERS-1/SARでは2.33±0.28km/aであり、流速推定誤差を考慮すると11年間における変化はほとんどないと考えられる。以上の結果は、Rignot(2002)により白瀬氷河のGrounding lineの平均流速算出結果が2.3km/aと報告されており調和的である。 ALOS/PALSARの氷流中心における季節変動を調べた結果、上流部が27.2m/46-days、下流部が19.9m/46-days、1996年から1998年では、それぞれ16.7m/46-days、23.0m/46-daysであった。現在では上流部における流速が速くなっており、このことはJERS-1/SARとALOS/PALSARの両SARデータとの平均流速の比較からも示された。今後、この原因について、 さらに研究を進める必要があると考えられる。
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