2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710063
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Research Institution | Institute of Environment and Resource System |
Principal Investigator |
浦野 真弥 Institute of Environment and Resource System, 研究第二部, 部長 (30436761)
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Keywords | 土壌汚染 / 重金属 / 簡易測定 / 溶出挙動 / 迅速前処理 / 電気化学的測定 / 吸光光度 / 汚染診断 |
Research Abstract |
平成19年度に行った既存分析法の特徴の整理結果および基礎的な土壌への適用性の検討結果を受けて、平成20年度には分析の正確性を損ねる共存物による妨害影響の低減を図るため、まず土壌溶出試験液および土壌含有量試験液中の共存元素濃度の測定を複数の土壌について実施した。この土壌溶出液中の共存物質濃度と吸光光度分析法に使用する試薬供給メーカーが表示している共存しても影響のない濃度を比較して優先的に妨害影響を検討すべき元素を選定した。これらの優先度が高い元素について、妨害影響の程度を明らかにする試験を、混合標準液を用いて行った。その結果、妨害を受ける程度は分析元素によって異なったが、全体的にはマンガンや鉄、アルミニウムが土壌溶出液に存在しうる濃度で測定を妨害する可能性があり、特に鉛測定時のマンガンやフッ素測定時のアルミニウムは測定値への影響が大きいことが分かった。また、カドミウム測定時には亜鉛の共存に注意する必要があることが分かった。一方、六価クロムやホウ素、シアンについては主要な土壌共存物の影響は小さいと考えられた。 また、カドミウムおよびフッ素については、妨害影響を低減する方法として、分析対象元素と妨害元素の溶出挙動の違いを利用した方法に適用可能性があることが示された。 さらに、これまでの研究において現場で適用可能な迅速溶出法として、多数の溶出挙動データに基づき1分間の手振とうで得られた測定値から公定法値を推計する方法を提案していたが、推計誤差が大きく精度が低いという問題があった。そこで本研究では精度を高めるための方法として、溶出時間を1分という短時間から30分まで延長した場合の測定値への影響を検討した。その結果、公定法の1/4〜1/12の溶出時間であっても、簡易法として十分な精度で測定値を得られることが示された。
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Research Products
(3 results)