2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710071
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
米田 征司 Kanagawa University, 工学部, 助教 (40343636)
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Keywords | 熱電変換 / 熱電発電 / 熱電材料 / カルコゲン化合物 |
Research Abstract |
高熱電性能を有するAg-Sb-TeおよびPb-Te系熱電材料の複合添加化合物AgPb_<18>SbTe_<20>を取り上げ、ドーパントとしてPbI_2をAgPb_<18>SbTe_<20>に対して系統的に添加し、材料性能の温度変化に対するPbI_2の添加効果を調べて、高性能化の可能性について検討した。多元素を十分に攪拌するために攪拌溶解ロッキング炉を導入して一方向性凝固法による結晶成長を行い、AgPb_<18>SbTe_<20>インゴットを得た。ドーパントであるPbI2の添加量は、1, 3, 5mass%とした。また、無添加のものについても作製を行った。 室温において比抵抗は、無添加の場合10^<-3>Ωmのオーダーであったが、PbI_2の添加によって約1〜2桁程度低減した。また、添加量が1 mass%のときがもっとも低く、5〜6×10^<-5>Ωmであることがわかった。3および5mass%の添加の場合、1〜3×10-4Ωm程度の比抵抗の低減となり、5mass%の方が3mass%のものよりも比抵抗が低減する傾向を示した。 室温における熱電能はすべてn形を示し、ドーパントの添加によって熱電能が1.2〜1.4倍に増加した。また、3mass%の添加量のとき最大の熱電能-320μV/Kが得られた。出力因子であるパワーファクターは、ドーパントの添加によって室温で約2桁程度増加することがわかった。添加量が1mass%のとき最大値を示し、7.5〜8.4×10-4W/mK^2であった。温度変化の評価結果において、パワーファクターの最大値の比較を行うと、ドーパント添加によって、約1桁程度改善できることがわかった。また、添加量にともなって、パワーファクターの最大値は高温度側にシフトすることがわかった。今回得られた結果では、PbI_2の添加量が1mas謡のときに最も大きな値を示し、その値は50℃のときの7.5〜8.4×10^<-4>W/mK^2であった。ドーパントの系統的な添加によって、比抵抗、熱電能、パワーファクターの制御の可能性を示すことができ、ドーパント量の最適化によるさらなる高性能化の可能性を示すことが出来たと言える。
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Research Products
(4 results)