2008 Fiscal Year Annual Research Report
新手法による変成デンプンを利用した環境順応型エコプラスチックの開発
Project/Area Number |
19710075
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西岡 昭博 Yamagata University, 地域共同研究センター, 准教授 (50343075)
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Keywords | レオロジー / デンプン変性 / プラスチック / 生分解性 |
Research Abstract |
20年度(最終年度)は、前年度までの結果を踏まえ、ベース材料に生分解性プラスチックを用いて、新手法による変性デンプンとの相溶性や物性への影響を明らかにした。具体的には、生分解性プラスチックとしてポリ乳酸やポリブチレンサクシネートを選択し、新規変性された澱粉を溶融混練にてコンポジット化した。従来、高分子材料に澱粉をコンポジットさせる場合、混練時に澱粉を非晶化させる目的で水の添加を行う。本研究で得られた新規変性された澱粉は、最初から非晶化した澱粉であるため、混練時に水の添加の必要がないことが特徴である。水の添加の必要がないことから、ポリ乳酸等のポリエステル系材料の加水分解を避けて、コンポジット化が可能となった。本研究で得られた生分解性樹脂/新規変性澱粉コンポジットの特徴は以下の通りである。 (1) 結晶性澱粉、市販の非晶性澱粉と比較し、著しく分散性が優れる。 (2) 重量分率10%までの添加では添加前のバージン材料と比較し、物性(機械的)が劣らない。このことは結晶性澱粉や市販の非晶性澱粉には見られない効果であった。 (3) 重量分率50%までの添加が可能であり、本研究で用いた新規変性澱粉を添加した系は最も物性低下が少ない。 (4) 新規変性澱粉は優れた結晶核剤として作用することが分かった。 本研究により、従来の手法とは全く異なる手法で澱粉変性が可能であること、この変性澱粉が生分解性樹脂等の優れた添加剤となり得ることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)