2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブロックポリマーの連結点一分子機能化による表面官能基化されたナノフィルターの作製
Project/Area Number |
19710077
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 幸光 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 産学官連携研究員 (00401513)
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Keywords | 高分子合成 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、ブロック共重合体の連結点-分子に開裂性部位を組み込んだ高分子を合成し、ナノポーラス高分子を作製することである。本申請課題は、デバイスや分離材料への展開を目的として、イオン性部位を発生することができるスルホン酸エステルを連結点に組み込み熱による開裂反応によって空孔化と空孔壁面の官能基化の同時構築を目指す。その課題達成のための容易に熱開裂できるスルホン酸エステルの連結点の選択とマトッリクス高分子の液晶部位の架橋による構造固定化を鍵とするナノポーラス薄膜の作製を行った。PEO_<114>-b-sulfo-MA(Chal)_<58>の熱履歴をDSCにより検討した結果、サンプルを200度以上加熱するとブロック共重合体の連結点からの開裂反応が進行しスルホン酸が発生することが明らかになった。この開裂反応は定量的に進行し、スルホン酸の発生も低分子のモデル反応による確認した。次に、シリコンウェハー基板に作製した垂直配向膜に313nmの紫外光を照射による液晶性力ルコン部位の架橋を行いその反応機構の解明を行った。その結果、反応は主に反応初期と反応後期の2つの反応が存在することがわかった。すなわち、光照射1Jcm^<-2>までは光架橋反応が優先的に進行し、それから光定常状態までは、主にカルコン部位のs-cis, Z-chalconeとs-cis, E-chalconeの異性化が進行することが明らかになった。架橋反応による構造の固定化は、反応初期に進行し、その光照射量は1J cm^<-2>の光量で充分であることが明らかになった。313nmの光を照射しカルコン部位を架橋させた膜を、196℃で20分加熱し、スルホン酸エステルの開裂を行った。FT-IRスペクトルは、ポリエチレンオキシドのC-O-C伸縮振動に由来する1103cm^<-1>のピークが消失した。この結果からシリンダー部位のPEOが除去されポーラス高分子が作製されたことが示唆された。すなわち、スルホン酸を空孔壁面に有するナノポーラス薄膜の作製できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)