2008 Fiscal Year Annual Research Report
リスク最小化に基づく非凸型識別手法の開発と与信審査・医療診断問題への実証的適用
Project/Area Number |
19710124
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武田 朗子 Keio University, 理工学部, 講師 (80361799)
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Keywords | ポートフォリオ最適化 / Conditional Value-at-Risk / 汎化誤差 / 機械学習 / サポートベクターマシーン |
Research Abstract |
ポートフォリオ最適化問題(金融資産への投資配分決定問題)に対する従来モデルは、いずれも、観測データ(過去のデータ)に対して最も良い意思決定が行われるように構築されていた。しかしながら、過去と同じ状況がこれから生じるわけではないため、過去のデータについて最適なモデルがこれからのデータにうまく適合するとは限らない。 本年度の研究では、観測データと同じ分布(未知の分布)より得られる新しいデータに対してもっとも信頼性の高い予測結果を与えることを目的にして、「CVaR」(conditionalvalue-at-risk)と呼ばれるリスク尺度を最小にするポートフォリオ最適化モデル'を構築した。機械学習分野では、過去のデータを用いて病気か病気でないかを予測するための判別モデルに対して、汎化誤差(サンプルの母集団に対する誤差)を推定するための研究が進められている。ポートフォリオ最適化問題を「ある一定以上の利益を上げられるか否か」という判別問題と見立てて、判別モデルの汎化誤差の評価方法を真似ることにより、ポートフォリオ最適化モデルの汎化誤差を推定することができた。その結果、提案モデルの最適解が汎化誤差を最も小さくすることを理論的に確認し、モデルの妥当性を示すことができた。 さらに、過去10年分のNIKKEI225のデータセットを用いて数値実験を行い、既存のポートフォリオ最適化モデルと比べて利益率が優位に改善されたことを確認した。汎化誤差が小さいという理論的な側面だけでなく、実際の金融データへの当てはまりがよいという、実践的な側面も評価することができた。
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Research Products
(11 results)