2007 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性糖脂質分子を特異的に認識する親規合成プローブの創製
Project/Area Number |
19710182
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
櫻井 香里 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (50447512)
|
Keywords | 生理活性物質 / 糖脂質 / 分子認識 |
Research Abstract |
糖脂質は、細胞間相互作用、細胞内シグナリング等、様々な細胞プロセスにおいて、マイクロドメインと称される細胞膜上に局在する超分子構造形成を通して関与し、その重要性が近年注目を集めている。本研究では、マイクロドメインにおける糖脂質の役割の解明研究に向けて、様々な分子種の糖脂質に対して、それぞれを特異的に認識する分子プローブの作成を目的とした。特に化学合成を基盤としたプローブの調達法の確立を目指す。これに向けて、平成19年度においては、まず種々の糖脂質を特異的に認識するペプチドの相互作用活性の評価系の確立を計画した。モデル系として必要なターゲット分子とプローブの候補分子を調製し、初期的原理証明実験を行った。モデル系ターゲット糖脂質分子としては、コレラ菌由来毒素タンパク質であるcholera toxinのレセプターとして知られ、市販品の購入が可能である糖スフィンゴ脂質GM1を起用した。これに対して、まずGM1への結合能が既知のペプチド分子群をそれぞれ合成調達した。これらのペプチド分子をコントロールとして利用し、結合活性試験の妥当性を検討した。糖脂質は自己集合しやすい性質をもつため、その検出は分子の提示状態が大きく影響をもつことが明らかとなった。得られたペプチド分子がどの分子状態の糖脂質を最も効率よく検出できるかを評価することは、実際の細胞膜上のマイクロドメイン中の糖脂質を効率よく検出するプローブを作成する上で重要である。糖脂質分子GM1の提示状態とペプチドプローブの相互作用の関係を詳細に検討することが次年度の課題である。
|