2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物由来活性物質とその安定化に寄与する介在高分子に関する研究
Project/Area Number |
19710192
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
犀川 陽子 Keio University, 理工学部, 助教 (20348824)
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Keywords | ミドリイガイ / 青色色素 / 色素ペプチド / アカクラゲ / 刺激物質 / 脂肪酸 / 敏感マウス |
Research Abstract |
・ミドリイガイの殻皮層に含まれる色素と介在タンパク質の機能の解明 ミドリイガイの殻皮層に含まれる色素を塩酸にて抽出し、HP-20、LH-20、DEAE-Sephadexによるイオン交換、ODSにより精製した。主成分は青色色素で、612 nm付近に最大吸収波長を示すことからテトラピロール系色素と思われた。しかし、藻類に見られる色素タンパク質フィコシアニンのクロモペプチドや卵殻に見られるビリベルジンなどのテトラピロール系色素が有機溶媒に可溶で、光や酸素に不安定なのに対して、ミドリイガイの色素は極めて親水性であり、光や酸素に対して安定であった。各種スペクトル測定により、この色素はチロシン、フェニルアラニンなどが結合した色素ペプチドであることがわかり、現在は構成ペプチドがテトラピロール系色素を安定化しているのか、色素の構造自体が全く新しい安定な発色団を持つのかを解析している。 ・アカクラゲ由来の刺激物質の探索 アカクラゲが海岸に打ち上げられ、乾燥した粉をヒトが吸引するとくしゃみが止まらないという。そこで、クラゲの刺胞毒が安定に存在しているか、もしくは安定な低分子がくしゃみの原因物質であると考えて探索を行った。定期的にアルブミンを投与した敏感マウスを作成し、鼻腔に塗布してマウスのくしゃみの回数を数えて評価した。アカクラゲの傘、触手、クラゲの保存液(海水)について調べたところ、触手と海水に強い活性が見られたが、海水の活性は主に塩によることがわかったため、脱塩操作として活性炭を用いて有機物質のみを集めたところ、やはり活性が見られた。さらに、分配操作を行ったところ、触手も海水もヘキサンに分配される画分に活性が見られた。現在のところ、ヘキサン層に含まれる脂肪酸類を活性本体と見て、さらに活性物質の単離を検討している
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Research Products
(4 results)