2007 Fiscal Year Annual Research Report
「アフリカの角」地域における紛争・貧困のリスクに対処するローカルな公共性の構築
Project/Area Number |
19710210
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 真如 Kyoto University, 東南アジア研究所, 特定研究員(グローバルCOE) (10444473)
|
Keywords | 文化人類学 / 国際協力 / HIV / AIDS / 感染症 / 紛争調停 / 住民組織 / 慣習法 / アフリカ |
Research Abstract |
エチオピアの南部州グラゲ県の農村において、紛争調停をおこなう在来の社会組織に関する調査を実施した。同県では、地域社会の紛争等を解決するために慣習法が果たす役割が大きいが、近年、同県の農村社会における伝統的リーダー(長老)と、県外の都市への移住者が組織する同郷会(グラゲ自助開発協会)とが協力して、慣習法を編纂、文書化して出版する事業が行われていることが明らかになった。 またHIV/AIDS問題に関し、エチオピアにおいて、アジスアベバ市HIV/AIDS予防管理局を訪問し、同国におけるHIV感染および治療の現状に関する文書、統計資料の収集を行った。またグラゲ県において資料収集および聞き取り調査を実施した。同県保健局においては、県内の感染および治療の現状に関する文書、統計資料の収集を行った。さらに同県の住民に対する聞き取り調査を行ったところ、地域の長老が中心となって、結婚前検査の実施を柱とするHIV予防運動が展開されていることが明らかになった。加えて県内の感染者団体から聞き取りを行い、上述の同郷会の支援によって、感染者の所得創出やエイズ患者のケアを目的とした活動を実施していることが明らかになった。 上記調査の他、アフリカのHIV/AIDS問題や関連する問題に取り組んできた国内の研究者、および非営利団体と共同で研究会を設立し、2007年7月から2008年2月までに4回の研究会と、1回の公開シンポジウムを実施した。これら研究会およびシンポジウムについては、ウエブページ<http://www.jafore.org/inclusiveness/>で情報公開を行っている。
|
Research Products
(5 results)