2009 Fiscal Year Annual Research Report
平和構築とジェンダー―フェミニスト国際関係論からの考察
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19710217
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 文香 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 准教授 (10367667)
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Keywords | 社会学 / ジェンダー / フェミニズム / 国際関係論 / 平和 / 軍隊 / 自衛隊 / 国連 |
Research Abstract |
平成21年度は引き続きフェミニスト国際関係論の先行研究のフォローを行った。そのうち、国連平和維持活動を軍事化された男性性という観点から検討したジェンダー分析の成果であるSandra Whitworth, Men, Militarism and UN Peacekeeping : A Gendered Analysis(Lynne Rienner Publishers, 2004)の書評を『国際ジェンダー学会誌』に掲載し、国際的に展開する「女性・平和・安全保障」施策におけるジェンダー主流化の批判的検討として「ジェンダー化される『ポストモダンの軍隊』」を、国際ジェンダー学会大会にて発表した。 同時代史学会「ジェンダーとグローバリゼーション・軍事化」研究会ではコメンテーターを務め、WILPF副会長である秋林こずえ准教授(立命館大学)らとともに、グローバルに展開する人身取引や軍事化に対するジェンダー視角からのアクション・リサーチについて意見交換を行った。また、フェミニスト国際関係論の立場から自衛隊を分析した論考として「自衛隊は21世紀の軍隊たりえるか」を『三田評論』(慶應義塾大学)に掲載、アジア太平洋地域における軍事化をテーマとした論集Militarized Currents : Toward a Decolonized Future in Asia and the Pacific (University of Minnesota Press)に"Why Have the Japanese Self-Defense Forces Included Women : The State's'Non-feminist Reasons'"が収録された。 さらに、3月14日から25日にかけてアメリカ合衆国に滞在し、ペンシルベニア大学図書館、ニューヨーク公立図書館、国際連合本部などにおいて、「女性・平和・安全保障」のジェンダー主流化に関する資料を収集した。
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